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小さな車庫の一角に、小さな設備と少ない工具で始めたのが、「工房てんとうむし」です。まさにガレージ起業です。資金も設備もありませんが、夢とやる気だけは溢れています。

自然と共に暮らしたいというのが長年の夢です。田舎では自分の食べるものくらいは生産出来ますが、電気や熱などのエネルギーは、農作物と同じように自給自足というわけにはなかなかいきません。便利な生活になれてしまったものですから、今更電気もガスもない生活はできません。

でも自然と共にというのが理想ですから、エネルギーも自然からちょうだいしたいと考えています。

自然からのエネルギーで利用しやすいのもとして太陽があります。太陽のエネルギーは1平方メートル当たり、約1kWのエネルギーがあるといわれています。簡単に言えば、100Wのテレビが10台一度に見られる電力です。これを利用しないてはありません。

でもこれは太陽に対して正対している場合です。太陽は動いていくので、すぐに出力が落ちてしまいます。常に正対させるためには、太陽を追尾する装置が必要です。まずはこの装置から開発することにしました。

既製品でもすでにありましたが、大きくて高価で、とても簡単に手に入れることはできません。そこでこれはもう作るしかないと思い、作ることにしたのです。

条件として、
・難しい設定がいらないもの
・持ち運びができるもの
・コンピューターを使わず、修理が簡単なもの
・消費電力が小さいもの
・虫眼鏡で集めた光を1点に集められるほど精度のよいもの
・販売価格を低くすること
これらのことをクリアするように開発を進めてきました。

そしてついに完成しました。(「TMS-1」は、太陽電池の性質上、高い精度は必要ないので追尾精度は低くしています。その方が電池の持ちはよいです。)

まずは身近なエネルギーである「電気」を太陽から受け取り、自然エネルギーを身近に感じて頂きたいと思っています。そして太陽電池が太陽に向かって動くところをおもしろがってもらいたいと思います。

自然の恵みで生活する、豊かなゆったりとした未来を想像して、日々過ごしていけたらこれほど幸せなことはありません。

『工房てんとうむし』の名前の由来

”てんとうむし”は上へ上へと向かっていく習性があります。このことから太陽”=お天道様(おてんとうさま)”に向かっていく縁起のよい虫と言うことで”天道虫(てんとうむし)”と呼ばれるようになったと言われています。

また、体にとまると、「願いごとがかなう」「幸せがおとずれる」などの言い伝えがあり、幸運の象徴としても人気者です。

お日様に常に向かっていく追尾装置をてんとうむしに重ね合わせ、また、縁起がよいということにもあやかりたいと思い、『工房てんとうむし』と名付けました。末永くお付き合い下さいますようお願い申し上げます。

                     工房てんとうむし 代表: 江田欣也

                     2007年 7月

 

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